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特許出願における優先権主張<国内優先権、パリ条約上の優先権>

優先権主張は、特許出願時のもっとも大きな留意事項の一つです。優先権主張について疑問を受けやすい事項をまとめます。

優先権の基本的な特徴

優先権を主張するということは、必ず、2つ以上の出願が関係することになります。
まず、最初の出願を行います。その後に、最初の出願を基礎とする優先権を主張して後の出願を行います。ここで、最初の出願を基礎出願とよび、後の出願を優先権主張出願とよぶことがあります。

このようなとき、優先権主張出願の審査や権利解釈の際に、基礎出願に開示されている事項は基礎出願の出願日を基準として種々の解釈が行われます。これが優先権主張の基本的な特徴です。

特許では、「早い者勝ち」(先願主義、先発明主義(アメリカ))であることが大原則です。しかし、優先権主張によれば、審査などの基準日が基礎出願の出願日にまでさかのぼって検討されるので、次のような逆転現象が起こります。

先願主義で考えるとき、
「自分の最初の出願」 → 「他人の出願」 → 「自分の後の出願」
という順序で特許出願が行われたとすると、「自分の後の出願」は、「他人の出願」に負けるのが原則です。しかし、「自分の後の出願」が「自分の最初の出願」を基礎にして優先権を主張しているのであれば、「他人の出願」に勝てるのです。

優先権の基本的な特徴

基礎出願および優先権主張出願の組合わせは、種々考えられます。
例えば、{1}基礎出願および優先権主張出願の両方が日本出願、{2}基礎出願が日本出願であって、優先権主張出願が外国出願(PCT出願を含む)、{3}基礎出願が外国出願であって、優先権主張出願が日本出願、等々

優先権主張出願や外国出願(パリルート、PCTルート)の検討開始時期についての考え方、優先期限の設定などを整理します。

PCT 出願についての情報はこちらです。

外国出願における優先権主張

外国出願の場合に適用される優先権は国内優先権とは異なります。・・・

優先権証明書の提出

ご留意ください

優先権主張出願(国内優先権、PCT出願を含む外国出願におけるパリ条約上の優先権)をするときの基本的事項について

最先の出願(基礎出願)から6ヶ月経過時および9ヶ月経過時をメドに、PCT出願を含む外国出願や、改良発明を盛り込んだ優先権主張出願を行うか否かをご検討ください。

海外出願のときに利用するパリ条約上の優先権でも、国内優先権でも、最初の出願(基礎出願)から1年が期限です。期限の半年前から準備を始めれば十分な検討時間が確保できるはずです。

特許出願の審査手続をスムーズにしたり、適切な広さ・強さをもつ特許を得るためのコツはいろいろありますが、出願の後では手続の種類・範囲が相当に限られます。結局のところ、出願(優先権主張出願)当初のクレイム・明細書の出来・不出来によるところが大きいのです。

したがって、外国出願前あるいは国内優先権主張出願の前に十分な検討時間を確保することが特許の手続きを上手に進める最大のコツです。他の仕事に忙殺されると基礎出願後のフォローはついつい後回しになりがちですが、早め早めの準備を実践されてはいかがでしょうか。

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